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新型コロナウイルス時代を 生きのびるために

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生活習慣病の薬は「治療」をしているのではない

この見解は多くの先生が指摘されている。たとえば辻一郎先生(東北大学)によれば、

生活習慣病である高血圧、糖尿病、高脂血症などに対して、薬を使ったり、食事の指導、運動の指導をしていますが、「それは治療ですか」というと、必ずしも治療ではないのです。(中略)血圧や血糖値を正常範囲に保つということであって、少なくとも治療はしていません。目的は、将来起こるかもしれない合併症を予防することなのです。今ある多くの治療は、実は予防なのです。(『のばそう健康寿命』辻一郎 岩波アクティブ新書)

薬の服用は必ずしも治療でなはなく合併症の予防……、そのための薬だった。しかし患者さんには服用を治療だと思っている方々が多かった。

血圧降下剤や糖尿病など生活習慣病の薬が一般の薬と異なるのは、症状がないのに服用すること。
そればかりか、服用が長期にわたるところも一般の薬とちがうところです。

服用中に自己治癒力で治ることがないためで、これが「いちど飲みはじめたら止められない」と多くの人が錯覚している(あるいはそう思い込まされている)原因になっているようです。

誤解も甚だしいとわたしは思っています。生活を改善すれば、治ってしまうのですから。

怖いのは、医師も処方に満足していること。医学専門情報(日経メディカル オンライン)のアンケートで、薬の処方で医師の満足度がもっとも高かったのが高血圧と糖尿病の薬。処方によって血圧や血糖値が下がるのだから、張り合いがあるのでしょう。

しかしこれらの薬の服用がつぎの生活習慣病の原因になることはけっして忘れてならない事実でしょう(いまは省略します)。

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