東西の医学で 新型コロナウイルス禍を 生きのびるために
科学、科学的医学の立場にある人のほとんどは、かたくなな唯物主義と、哲学や宗教と医学を完全に無縁のものとする思考習慣とがわざわいして、東洋医学の本質が把握できず、それをピントはずれで非科学的なものと考えてしまうのだ
東洋医学の目指すところは、西洋医学のそれとは違い、非常に次元が高く、大いに学ぶところがある。(同)
軽微な段階で病気を見つけて治療することを大切に考える東洋医学では、西洋医学にはみられない真の予防医学が発達した。(同)
西洋医学には「木を見て森を見ず」(細かい点ばかり見ていて全体像を掴めない)の治療になりがちな落とし穴がある。そこへいくと、東洋医学は病気を生み出している根本に迫ろうとする。(代田文彦=元東京女医大『もう「大病院」には頼らない』より)
緊急 | 呼吸法 | 入浴 | 瞑想 |
緊急~中長期 | 爪揉み | 肺強化のツボ |
緊急~ 中長期 | 「肺」を助けるツボ 超簡単な気功(スワイショウ) 皮膚刺激で肺を鍛える 背中のツボ(近日中にアップ) 「腎」の強化(近日中にアップ) |
東洋医学的 | |
緊急~ 中長期 | 鍼灸を受ける、ヨガ・気功・太極拳 |
○自発的治癒をうながすために一つの方法しかないとしたら、わたしはためらわずにこう答える 呼吸に専念しなさい!
(『心身自在』アンドルー・ワイル 角川文庫)
○東洋の健康法の柱は「調息」「調心」「調身」。その「調息」にあたるのが、呼吸(茂原)。
・方法
椅子に首と背中を伸ばして腰掛け、肩の力を抜きます。腹筋を使って下腹の息を吐ききるだけです。
下腹に手を当てるとよくわかります。
吐ききったら、息を吸い込む。このくり返しです。
・呼気、吸気の長さ
呼気、停止、吸気の長さ(秒)は先生によって異なりますが、ポイントはただ一つ。
それは吐く息を長くする、ということ。(これに異をとなえる人は皆無です。理由について➡ 詳しくはこちらをご覧ください)。
適温はむずかしい
○瞑想はいつも溌剌とした状態でいるためにも役立つ。現代の混沌とした環境からくるストレスに打ち勝つための助けになる。長く続けていると、瞑想は霊的な境地を高めることにもなる。否定的な想念パターンが取り除かれる。世界の美しさや壮大さを深く味わえる心境になっていくからだ。
○
* *
いま欧米で流行りのマインドフルネス。アメリカの先端巨大企業であるGAFAでも取り入れられているそうです。
欧米のいくつかの大学病院の精神科では症状によっては薬よりも効果があるとの報告も出ているとのこと(NHK)。
ほとんその先生は、「呼吸に集中」と言います。基本なのですが、やってみると雑念だらけ。集中できません。
なんとか雑念が湧かない方法はないか……。
3年間、雑念がわかない方法を試行錯誤し、実践してきて、6番目に見つけたベストな方法を以下にご紹介します。
(もっとも集中できます。東大の腰痛の松平先生が開発した方法です。腰痛にマインドフルネスで効果があるのが興味深いです)。
方法
1.息を吸う。しばらく止める。胃が振動するイメージで「う~~~」と声を出しながら、息を吐ききります。
2.息を吸う。しばらく止める。肺が震えるのを意識しながら「お~~~」と声を出しながら息を吐ききります。
3.同様に頭蓋骨が震えるのをイメージしながら「ん~~~」と声を出しながら息を吐ききります。
この3種類を1セットとして、任意のセット数を実践してみてください。
この時、意識しなくても、しぜんと腹式呼吸になっています。
わたしがやっている「一石六鳥」の方法はこちら。
リンパ球を増やす(免疫力を高める)とても効果的なツボ(*1)があります。このツボを刺激すると、リンパ球が増えます(*2)
場所は手足の爪の生え際(写真の黒い点)。親指の見えない裏にもあります。
この爪際にあるツボの名前は井穴といって、足も含めて全ての経絡が始まるところであるとされています。東洋医学ではとても重要で、効果のあるすごいツボです。
(*1)鍼灸学校の友人が40度以上の高熱を出したとき、薬指の外側のツボ(一か所)に太い鍼を刺して、血を一滴絞ったら、すぐ1,2度下がったそうです。
(*2)がん患者にも有効なため、「爪もみ」を治療にとりいれている水嶋先生(水嶋クリニック)によると、井穴を刺激することで、副交感神経が活性化し、その結果リンパ球が増えるそうです。
刺激の要領
左手の各指の爪の生え際の両端(写真の黒の点)を右の手の親指と人差し指で挟み、軽くもんで刺激します。
刺激は軽くて十分。痛みを感じるほど強くつまむ必要はありません。
各指をそれぞれ10秒間くらい刺激します。(重要でない会議などではひそかにやれば誰も気がつきません。笑。わたしは入浴中にやっています。)ゆとりがあれば両足の爪も刺激します。
後渓(こうけい)
手にあるこのツボは、「肺経」という経絡のなかでも、重要なツボです。
(昭和の鍼灸の名人が肺炎の治療に使っていたツボです。)
「肺」を助けてくれるのが「脾」という経絡(現代的にいえば胃)。表裏で助け合うのが(腸)
これらを良好な状態にしておくことが、肺にもプラスになるという考え方です。
消化器のいたわり方は皆さんご存じなのでごく簡略に。
胃:暴飲暴食をせずに、バランスのよい食事を、腹6分目から7分目。規則正しい食事が基本になります。冷飲は胃をいため、ひいては肺をいためます。
腸:正しい食生活と運動が肺を助けます。老人医療の専門家によれば、腸の調子がいい患者は、インフルエンザが重症化しにくいそうです(腸の免疫に手がかからない余力を肺に回せるので重症化しないのでは、とこれはわたしの推測です)。
全身のツボの中でもっとも有名なツボ。このツボは、胃とつながっています。しかも即効性がある(X線で撮影をしながら、足三里に鍼やお灸をすると、胃が急に活発な蠕動をはじめる)
・場所
肺は体内にあるので、直接鍛えることはできません。しかし皮膚を鍛えると間接的に肺も鍛えられるのです。乾布摩擦が風邪や肺炎の予防にも有効なのはこのためです。
ちなみに「肺経」(肺という経絡)には皮膚の防衛という役割があり、また発生学的にも肺と皮膚はもともと同じ組織から分化しました。ざっくりいえば、もとは同じでした。