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新型コロナウイルス時代を 生きのびるために

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自律神経を例に、統一した身体観の重要性をご説明します

自律神経のカラダの変化の一部は表のようになります。
これらの反応を10、20丸暗記しても、カラダを知ったことになりません。

部位   交感神経優位のとき  副交感神経優位のとき
 心拍    
 血圧    
 消化液    
 瞳孔  散大  縮小
 発汗    
 気管支  拡張  収縮
(図の説明)
交感神経が優位になると、心拍数は増加し、消化液の分泌は低下する、
、瞳孔は散大、発汗は促進、気管支は拡張、などです。




(*)交感神経はまさに獲物を取ろうとする際のカラダの反応

たとえば交感神経優位とは、「動物が獲物を襲うときの反応である」「食われないように逃げるときの反応である」
という命の本質を知れば、記憶の必要はありません。
つまり、命を維持するために緊急行動をさせるのが交感神経です。そのためすべてを集中する(とりわけ筋肉に栄養と酸素を供給することに)。
これをさせるのがアドレナリンです。

動きを助けるために筋肉に血液(つまり酸素や血糖)をたっぷり送り込むために、心拍はアップし、血圧も上がります。
走っても滑りにくいように、汗も出る。
酸素を取り込めるように気管支も広がる。獲物をよく見られるように瞳孔も拡がる、
というわけです。緊張状態のこのときの神経はほんの1,2分だそうです。

同じように、食われる側の草食動物も、命を取られないために、逃げなければなりません。
その時の反応も交感神経優位となります。

逆にゆったりし、狩の疲れを回復するのに必要なのが副交感神経(別名リラックス神経)。
休めるために、襲うときとは反対のカラダになります。
捕ったものを食べ、消化するために、血液は内臓に集まり、消化液は増えます。ライオンなどでは副交感神経優位が20時間にもなるそうです。

人間ではどうでしょう

現代人でいえば、仕事をするときの自律神経が交感神経です。おなじ仕事でも、会社が立てた目標やノルマに追われる勤労者は、交感神経優位がつづいて、カラダ(心も含めて)を傷めます。

ここからは、感覚に即して、自律神経のエピソードを。

あなたが街を歩いていて、背中をポンといきなり叩かれた時、息はどうなりますか?

反射的に「はっ」と息を吸うはずです。逃げるための体勢を反射的にとるのです。
背後は死角であり、危険なことが多く、酸素を取り込むためです。

これはわたしの想像ですが、2億年前の恐竜時代に、ネズミの大きさで生きていた人類の先祖の時代に身についた反射ではないでしょうか(裏返すと、この反射のにぶい個体は食われてしまい、淘汰されたわけです)。


逆に冬、温かいお風呂に入った時に、息はどうなりますか? 
ふ〜〜、と吐きますね。これはリラックスした時の反応です。
以上のようなカラダの反応の基本を知っていれば、自律神経(交感神経、副交感神経)による体の各部位の反応を暗記する必要は全くないのです。もし、こうした反応について、多項目を丸暗記したとしても、体系にならない知識をいくら増やしても、カラダを知ったことにはならないのです。



テレビ番組の健康番組を見まくっても、往々にしてカラダの本質をつかめないのは
、個別の知識だけを説明されるからです。統一感がない(身体観がないともいえます)。
いつも見ているのに、カラダについて分かった気にならないのはそのためです。



自律神経の本質を知らないと、こんな錯覚をします。
都心のエリートサラリーマンに、働いた後で、夜ジムで筋トレをしたり熱い風呂に入ったりしている映像をみます。
本人は、健康づくりのつもりで、カラダを痛めつけていることになるのです。自律神経の本質を知れば、以下のような過ちを犯さないで済むのです。



悲しいエピソード

友人の友人が、腎臓が悪くなった。
運動を頑張ればよくなると勘違いし、上の生活をつづけました。
わたしは内臓をいたわるためには、ゆったりした運動や瞑想、ぬるま湯が大事だと間接的に忠告したのですが、どこの馬の骨かわからない一鍼灸師の言い分はかんぜんに無視されました。
半年後、友人から、その人が腎透析になってしまった、との報せをうけました。そのときの
無力感をいまも忘れません。それで、つい自律神経の記述が多くなりました。





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