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〜〜〜小学校時代から〜〜〜
教室で、男の子を夢中でなぐっていた「事件」
担任がS先生だったから小学校の一年のときのこと。
休み時間、机と机の間で友達と話していたキミは、男の子に、どけよ、と突きとばされた。
「どかなくてもさ、通るところはいくらでもあったんだよ」とキミはいった。
「それって、おかしいよね」
「なにも突きとばすことはないな」
「ただされっぱなしってさ、悔しいじゃない」
相手が男の子であり、身体も大きかったから、殴りつけた。そこまでの記憶しかないという。
……。
「気がついたらさ、馬乗りになって夢中でぶってた」
みんなが取り囲んでいたという。
キミの席は教室の中ほどなのに、気づいたときは教室の後ろだった。
「怖かったよ。仕返しされないようにさ、顔を爪で引っかいたら泣きだしたんでやめた」
一部始終を見ていたS先生は、のり子ちゃんってつよいのね、と笑っただけで、咎めなかった。
男の子の顔に三本の赤い線がついた。出血はなかったものの、親が学校から呼び出されること必至とみたキミは、その日、家にかえるや由紀さんにこのできごとを先に話していた。
「でもさ、○○ちゃん(男の子)のお母さん、偉かったよね。あのとき学校に文句言ってこなかったもんね。うちの親にも先生からなんにもなかったでしょ」
ぼくがうなずく。
【今ふり返って】
思い出話のときに「あのときさ、先にやられたからやりかえしたんだよ」とキミは言った。
「相手がさ、もし女の子だったら、わたしあのとき絶対に手なんか出さなかったよ。そのことは意識してた。男の子でも、小さい子だったら、たぶんやらなかったよ」
「でもさ、先生も○○ちゃんの親も、大人はみな良い対応をしてくれたよね」
殴りはじめるまで、状況を見極めるゆとりがあったのだね。それと、その後の夢中で記憶がとぎれたことが対照的で面白かった。
少しまえに、親にはぐれて泣き出したときのキミ。心細くて学校から一目散に帰ってきた登校初日のキミ。
親って、目の届かないところで、子供がいやな思いをさせられていやしないか、それが心配になる。その究極である、いじめ。その対象になりはしないかと、そこはかとなく心配していた。
だから、この話を聞いたあとで、ああ、この子の性格なら、今後学校でいじめられるようなことはないな、と安堵した。そのときのほっとした記憶が強くのこっています。
そして、この子、めっちゃ面白いやん、と頬がゆるんだときの記憶も。
〜〜〜保育園時代
おとうちゃん「事件」
親子になって間もないころ、スーパーマーケットで、きみはいきなり「おとうちゃ〜ん」と言った
〜〜〜小学校時代
気がついたら、男の子を夢中でなぐっていた「事件」
教室で友だちと話していたら突き飛ばされて……、それからは憶えていないって?
カレー「事件」
調理の時間に友だちから「わたし前からカレーつくれるよ」と自慢されたときにとったキミの対応は……。
〜〜〜中学時代
16点はきみにとって恥ずかしいことでも、ガッカリすることでもなかった。そのことに、ぼくは驚いて……。
試験の数学が連続で16点だったことにカンドウ?(その2)
答案を皆に見せて、「あ、おまえバカだったんだ」と男の子に言われちゃったと、楽しそうに。
わたしね、五分も勉強すると頭から煙が出てくるの
ぼくは思わず笑ったけれど……